要 この記事の要点
- 相続確認表は、ゆうちょ銀行の相続手続きで最初に出す書類です。提出後約1〜2週間で、貯金事務センターから「必要書類のご案内」が郵送で届きます
- 用紙は1枚目・2枚目(ご相続人さま関係図)と3枚目(相続貯金等記入票)の構成で、裏面に「貯金等照会書(相続用)」があります。A4の白紙に印刷し、感熱紙は使えません
- 書き損じは二重線で消して訂正し、訂正印は不要とゆうちょ銀行の記入要領に書かれています。内容は後日、戸籍謄本などで確認されます
- 話し合いで遺産を受け取らないことにした相続人は「相続放棄」にチェックしません。相続放棄は家庭裁判所に申述した場合だけです
ゆうちょ銀行の相続手続きを始めようとすると、窓口で最初に渡されるのが「相続確認表」です。相続人全員の名前を家系図のような枠に書き込む独特の用紙で、「孫の欄には誰を書くのか」「父母が亡くなっている場合はどうするのか」と迷われる方が少なくありません。
この記事では、ゆうちょ銀行が公開している「相続確認表(ご記入要領)」(2026年5月改正版)に沿って、欄ごとの書き方と、提出した後に何が起きるのかを整理します。手続き全体の流れはゆうちょ銀行の相続手続き、最後に出す請求書の書き方は貯金等相続手続請求書の書き方で解説していますので、本記事は最初の一枚に絞ってお読みください。
なお、用紙の様式や料金は改定されることがあります。実際に記入する際は、ゆうちょ銀行公式サイトの最新の記入要領か、貯金窓口の案内をご確認ください。
相続確認表とはどんな書類?
相続確認表は、亡くなった方を中心に相続人全員の関係と、ゆうちょ銀行との取引内容を伝えるための、相続手続きの最初の書類です。これを出すと、その家族に合わせた「必要書類のご案内」が届きます。
ゆうちょ銀行では、いきなり払戻しの請求書を書くのではなく、まず相続確認表で「誰が相続人か」「遺言や遺産分割協議書はあるか」「どの貯金を相続するか」を伝えます。その内容をもとに貯金事務センターが、そのご家族の場合に必要な書類を案内する仕組みです。
| 段階 | 書類 | この段階でやること |
|---|---|---|
| 1(本記事) | 相続確認表 | 相続人の関係と貯金の記号番号を書いて提出する |
| 2 | 必要書類のご案内 | 郵送で届いた案内に沿って戸籍・印鑑証明書などを集める |
| 3 | 貯金等相続手続請求書 | 相続人の署名・実印をそろえ、書類の原本とともに提出する |
用紙は郵便局・ゆうちょ銀行の貯金窓口に置かれているほか、ゆうちょ銀行のサイトからPDFで印刷できます。印刷する場合はA4の白紙に両面印刷し、感熱紙は使わないよう案内されています。用紙は機械で読み取るため、枠からはみ出さないように書き、欄が足りないときは用紙をコピーして書き足します。
1枚目には何を書く?
相続確認表の1枚目には、遺言書などの有無、亡くなった方、代表相続人、配偶者、子、孫、父母を書きます。子(第1順位)がいる場合は、父母や兄弟姉妹の欄は書きません。
1枚目の欄はA〜Gの記号で区別されています。記入要領の内容を表にまとめます。
| 欄 | 書く内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| A 遺言書などの有無の確認 | 相続人間の紛議、遺言書、遺産分割協議書、調停調書・審判書の有無にレ印 | 遺言書が「あり」で遺言執行者が指定されている場合は、2枚目のL欄も書きます |
| B 被相続人 | 亡くなった方の住所・氏名・生年月日・死亡年月日 | 住所は亡くなった時点の住所。外国籍の方は「外国籍」にレ印 |
| C 代表相続人 | 手続きを行う相続人の住所・氏名・連絡先 | 貯金はこの方が払戻しを受けるか、この方の名義に書き換える扱いです。内容確認の電話を受けやすい時間帯(平日9時〜17時の間)も選びます |
| D 配偶者 | 亡くなった方の夫または妻の氏名 | すでに亡くなっている場合は「死亡」にレ印と死亡年月日 |
| E 第1順位 | 亡くなった方の子の氏名 | 養子や認知した子も含みます。子がいる場合、第2順位・第3順位の欄は不要です |
| F 孫 | 先に亡くなった子に子(孫)がいる場合の、孫の氏名 | 孫は代襲相続人になります。どの子の子かが分かるよう、子の欄と線で結びます |
| G 第2順位 | 亡くなった方の父母の氏名 | 子(第1順位)がいない場合に相続人になります |
各相続人の欄には、該当する場合にレ印を付ける小さな項目があります。記入要領では、未成年の方・海外居住の方・相続放棄された方・成年被後見人の方にチェックを付け、外国籍の相続人は括弧内に国籍を書くよう案内されています。また、連絡が一切取れない相続人がいる場合は括弧内に「行方不明」、養子や認知された子がいる場合は「養子」「認知」と書きます。
2枚目には何を書く?
相続確認表の2枚目は、子も父母もいない場合の祖父母・兄弟姉妹・甥姪と、代表相続人以外の方が窓口に行く場合、遺言執行者がいる場合に書きます。該当しなければ空欄のままで構いません。
- H 祖父母:父母がすでに亡くなっていて祖父母がいる場合に書きます。
- I 第3順位(兄弟姉妹):子も父母(祖父母)もいない場合に、兄弟姉妹が相続人になります。
- J 甥・姪:兄弟姉妹が先に亡くなっていて、その子(甥・姪)がいる場合に書き、関係する兄弟姉妹の欄と線で結びます。
- K ご来局されたお客さま:代表相続人以外の方が窓口に来た場合に、その方の住所・氏名・連絡先と、内容確認の連絡先・書類の送付先を選びます。代表相続人と同じ人なら記入不要です。
- L 遺言執行者:遺言で遺言執行者が指定されている場合に書きます。代表相続人や来局者と同じ人なら、チェック欄に印を付ければ記載は不要です。
兄弟姉妹や甥・姪が相続人になる場合は、亡くなった方の両親の戸籍までさかのぼる必要があり、戸籍の量が一気に増えます。どこまで集めればよいかは戸籍の集め方もご覧ください。
3枚目の「相続貯金等記入票」には何を書く?
3枚目の相続貯金等記入票には、相続する貯金の種類と記号番号、払戻金の受取方法、投資信託の有無、記号番号が分からない貯金の有無を書きます。国債は名義書換のみ、投資信託は移管のみの扱いです。
| 欄 | 書く内容 |
|---|---|
| M 貯金等の種類 | 「通常貯金」「定額・定期貯金」「国債」「振替口座」など。「通常」「担保」といった略記も可 |
| N 記号番号 | 通帳などの記号番号。通帳の再発行番号は書きません |
| O 払戻金の受取方法 | ゆうちょ銀行の通常貯金口座への入金か、他の金融機関口座への振込みを選択(国債・投資信託はチェック不要) |
| P 投資信託の有無 | あり・なし・不明にレ印。不明の場合は貯金等照会書の提出が必要 |
| Q 記号番号不明の貯金の有無 | ありの場合は貯金等照会書を提出。調査には2週間程度かかり、その分ご案内の郵送が遅れます |
| R 備考 | 払戻証書での受取りを希望する場合は「払戻証書」と記入 |
受取方法によって料金が変わります。記入要領(2026年5月改正版)では、ゆうちょ銀行の通常貯金口座への入金は無料、他の金融機関口座への振込みは5万円未満で660円、5万円以上で880円の振込料金を差し引いて振り込むとされています。払戻金が660円以下の場合は振込みは行われず、「振替払出証書」が送られてきます。料金は改定されることがあるため、記入時の案内でご確認ください。
なお、郵政民営化前の郵便貯金で権利消滅の扱いになったものの払戻請求を同時に行う場合は、他の貯金も含めて「他の金融機関口座への振り込み」を選べないとされています。古い証書が出てきた場合は、窓口で先に相談しておくと安心です。
貯金等照会書(相続用)はいつ書く?
貯金等照会書は、記号番号が分からない貯金や投資信託がある場合にだけ書く用紙です。記号番号がすべて分かっていれば、記入も提出も不要です。
相続確認表の裏面にある「貯金等照会書(相続用)」は、亡くなった方の名義の貯金を調べてもらうための用紙です。通帳が見つからない、ほかにも口座があった気がする、という場合に使います。書く内容は次のとおりです。
- ご請求者:相続確認表の代表相続人・来局者・遺言執行者のどれと同じ人かにチェックします。自署なら押印は不要ですが、残高証明書を希望する場合は料金を引き落とす口座の届出印を押します。
- 調査対象者:亡くなった方の届出氏名・生年月日・届出住所。旧姓で口座を使っていた可能性があれば旧氏名を、転居前の住所や住居表示の変更前の住所で届けていた可能性があれば「その他届出住所」に書きます。
- 調査対象とする貯金等の種類:通常貯金、定額・定期貯金、国債、投資信託などにチェックします。郵政民営化前(2007年9月30日以前)に預けた貯金を調べる場合は、必ず「民営化前郵便貯金」と記入するよう案内されています。
- 調査日・期間の指定と残高証明書:調査日は受付日から10年以内で指定でき、「不要」とした場合は原則として受付日の2〜3日後の時点で調べます。残高証明書は1通1,100円です。
相続税の申告が必要かどうかを判断するには、亡くなった日時点の残高が必要です。残高証明書を頼む場合は、証明日付を亡くなった日にしておくと後で取り直さずに済みます。調査のために窓口へ行く際は、死亡の事実が分かる戸籍謄本等、相続人であることが確認できる戸籍謄本等、相続人の本人確認書類と印章を持参するよう案内されています。ほかの金融機関も含めた調べ方は相続財産調査の方法をご覧ください。
よくある書き間違いは?
相続確認表で特に注意したい誤りは、話し合いで遺産を受け取らないことにした相続人を「相続放棄」とチェックしてしまうことです。相続放棄に当たるのは、家庭裁判所に申述した場合だけです。
記入要領は、相続放棄を「被相続人が亡くなったことを知ってから3か月以内に、家庭裁判所に申述して相続の権利を放棄すること」と説明し、相続人間の話し合いで相続財産を受け取らないことになった相続人は該当しないと明記しています。このほか、次のような誤りが見られます。
- 子がいるのに、父母や兄弟姉妹まで書いてしまう(第1順位がいれば第2・第3順位の欄は不要)
- 先に亡くなった子の欄に「死亡」のチェックだけをして、その子の子(孫)を書き漏らす
- 亡くなった方の住所を、住民票の除票と違う古い住所で書いてしまう
- 記号番号の欄に通帳の再発行番号まで書いてしまう
- 欄が足りずに枠外へ書き込む(用紙をコピーして書き足すのが正しい方法です)
書き損じた場合は、二重線で消して訂正します。記入要領では訂正印は不要とされています。内容は後日、戸籍謄本などで確認されるため、家族の記憶で書かず、戸籍を手元に置いて書くのが確実です。
提出した後はどう進む?
相続確認表を窓口に出すと、約1〜2週間で貯金事務センターから「必要書類のご案内」が郵送で届きます。案内に沿って書類を集め、貯金等相続手続請求書とともに提出すると、約1〜4週間で払戻金が入金されます。
| 流れ | ゆうちょ銀行の案内 |
|---|---|
| 提出 | ゆうちょ銀行・郵便局の貯金窓口へ。予約した人が優先され、ゆうちょ銀行の店舗はWebで予約、郵便局は一部の局のみ予約を受け付け。口座を開いた局以外でも手続きできます |
| 必要書類のご案内 | 提出後約1〜2週間で郵送。記号番号不明の貯金の調査をした場合は、その分遅れます |
| 書類の準備 | 遺言書がない場合の例として、亡くなった方の婚姻(初婚、未婚の場合は16歳)から死亡までの連続した戸籍謄本、通帳等、相続人の印鑑登録証明書(有効期限の扱いは「必要書類のご案内」で確認)、遺産分割協議書(ある場合)、払戻金を受け取る相続人の実印 |
| 書類の提出 | 原本を窓口に提出。戸籍謄本などの返却を希望する場合は申し出ます |
| 払戻金の受取り | 払戻証書・通常貯金口座での受取りは約1〜2週間、他の金融機関の口座は約3〜4週間 |
注意したいのは、名義人が亡くなったことを申し出た口座は停止される点です。公共料金などの引落としに使っていた場合は、事前に引落口座の変更を済ませておきましょう。また、戸籍一式は法定相続情報一覧図の写しで代えられることがあり、ほかの金融機関や相続登記も控えている場合は手間を減らせます。請求書の記入で迷いやすい点は貯金等相続手続請求書の書き方にまとめています。
窓口に行かずにアプリやWebで出せる?
「ゆうちょ手続きアプリ」を使うと、相続確認表の入力から提出までをアプリ上で済ませられます。「相続Web案内サービス」では、質問に答えると必要書類をその場で確認・印刷できます。
ゆうちょ銀行の案内では、相続Web案内サービスの所要時間は約15〜45分で、必要書類をWeb上でダウンロード・印刷できるとされています。ゆうちょ手続きアプリで提出した場合は、窓口提出と同じく約1〜2週間で必要書類のご案内が郵送されます。どちらも窓口へ行く回数を減らせますが、口座の状況などによっては使えない場合があります。
書類の書き方そのものを相談したい場合は、ゆうちょ銀行の相続コールセンター(0120-312-279、平日9時〜17時、土日祝日と12月31日〜1月3日を除く)でも受け付けています。ただし、個別の手続きの進み具合には答えられないとされています。
まとめ
相続確認表は、ゆうちょ銀行の相続手続きの入口となる書類です。1枚目と2枚目で相続人全員の関係を、3枚目で相続する貯金と受取方法を伝えます。子がいれば父母や兄弟姉妹の欄は不要であること、話し合いで受け取らない人は「相続放棄」に当たらないこと、書き損じは二重線で訂正して訂正印が要らないことを押さえておけば、大きく迷うことはありません。
提出後は約1〜2週間で必要書類のご案内が届き、そこから戸籍や印鑑証明書の準備が本格的に始まります。家族関係が複雑な場合や、通帳が見つからない貯金がある場合は、最初の段階で戸籍をそろえて相続人の範囲を確かめておくと、後のやり直しを防げます。
▶ 相続確認表の「誰を、どの欄に書くか」で手が止まっていませんか?
前の結婚の子や亡くなった子の子がいると、書くべき相続人は家族の思っている範囲と違ってきます。戸籍で相続人を確かめるところから、ゆうちょ銀行への書類の提出まで、当センターがお手伝いします。
西東京市ひばりが丘の相続サポートセンターが、ご相談の窓口をひとつにまとめます。戸籍の収集や金融機関の手続きは当センター、遺産分割協議書は行政書士法人みらい、相続税の申告は税理士法人みらいが担当します。初回相談は無料です。
よくある質問
Q. 相続確認表はどこで手に入りますか?
ゆうちょ銀行・郵便局の貯金窓口に用意されているほか、ゆうちょ銀行の公式サイトからPDFを印刷できます。印刷する場合はA4の白紙に両面印刷し、感熱紙は使わないよう案内されています。ゆうちょ手続きアプリを使えば、用紙を使わずにアプリ上で入力・提出することもできます。
Q. 書き損じたら訂正印は必要ですか?
ゆうちょ銀行の記入要領では、相続確認表の書き損じは二重線で消して訂正し、訂正印は不要とされています。内容は後日、戸籍謄本などで確認されるため、戸籍を見ながら正確に書くことが大切です。
Q. 遺産を受け取らないことにした相続人は「相続放棄」にチェックしますか?
いいえ。相続放棄は、亡くなったことを知ってから3か月以内に家庭裁判所へ申述した場合を指します。相続人間の話し合いで遺産を受け取らないことになった方は該当しないと、記入要領に明記されています。
Q. 口座を開いた郵便局以外でも提出できますか?
できます。ゆうちょ銀行の案内では、全国のゆうちょ銀行と郵便局の貯金窓口で手続きできるとされています。比較的時間のかかる手続きのため、予約した人が優先されます。
Q. 提出してからどのくらいで必要書類のご案内が届きますか?
窓口またはゆうちょ手続きアプリで提出した場合、約1〜2週間で貯金事務センターから郵送されます。記号番号が分からない貯金の調査を頼んだ場合は、調査に2週間程度かかるため、その分到着が遅れます。
Q. 相続人本人ではなく代理人が手続きできますか?
可能です。ゆうちょ銀行の案内では、相続の請求にあたっては代表相続人の委任状が必要とされています。代理人が窓口に行く場合は、相続確認表2枚目の「ご来局されたお客さま」欄にその方の情報を書きます。